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図師照幸
英国国際教育研究所 所長
London College of Education,
Graduate School 学長

堂々とした英語教育を
児童英語教師養成課程の開講に寄せて

 小学生たちが英語を学び始めた。小学校でも町の英会話教室でも、早期外国語教育としての英語教育が始まっている。「英語活動」などと曖昧で衒(てら)いを持ったことばでごまかす必要はない。堂々とした「英語教育」に取り組むべきである。今、「堂々とした」ということばを用いたが、中学校における英語教育も、高校における英語教育も同じく、堂々とした英語教育に取り組んでもらいたい。

 堂々とした英語教育とは、外国語教育が本来目指すべきものをしっかりと見据え、その実現のための豊かで確かな方法に支えられた教育のことである。ことばを変えれば、今なさんとする英語の教育によって、子どもたちは何を獲得し、その獲得したものによってどう変化するのか、まずはそのことについてよく考えたい。そしてそのために取るべき教え方や具体的に教える内容はどのようなものでなければならないか。いずれもがともに充実していて初めて〈教育〉となる。

 子どもたちにとっての外国語は、子どもたちの未来にどう関わっていくのだろうか。その外国語が中国語やポーランド語ではなく、英語であるということについても教育者として配慮すべきことがあるだろう。世界語となった英語によるコミュニケーション能力を身につけることで国際(経済)競争力をつけようとする、そのことを子どもたちの教育に位置付けることだけは避けたいと思う。競争に勝つためだけの学習は貧しく、危険である。

 子どもたちは異なった価値観やまなざしを外国語から学ぶ。そのことで身につけた能力は隣人をより深く理解することを可能にするだろう。今までわずかばかりの視点で誤解していた者たちをわかろうとし、愛そうとすることだろう。隣人ばかりではない。一生会うこともない遠く離れたところで暮らす者たちの幸せを想い、考えようとすることだろう。その幸せのための知性を養おうとすることだろう。英語を学ぶということが、学ぶ者のまなざしを温かいものに変え、高く尊いものに変えていく、そういったものでなければならない、そう思うのだ。

 研究所は過去10年に亘(わた)って毎夏、「国際コミュニケーション能力開発法セミナー・児童英語教育(STEC)」を開講してきた。小学校や中学校の教員、英会話教室の英語教師、大学生・大学院生、さらには現職の大学教授等、さまざまな方が受講された。一度ならず、二度、三度と参加された方もいる。今回開講する児童英語教師養成課程はそれらの蓄積の上に、ポストグラデュエート・サーティフィケートの課程として開講するものである。まずは10週間、理念と方法に格闘する。(2009.10.01)



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伊藤克敏
神奈川大学・大学院 名誉教授
日本児童英語教育学会 元会長・現顧問

児童英語教師養成課程への参加をお勧めします

 2011年より小学校5、6年生より英語が必修化され、より良い体制作りが必要に迫られています。過去10年間開催して来た「国際コミュニケーション能力開発法セミナー・児童英語教育(STEC)」より規模を大きくし、一流の講師陣による長期的で本格的な児童英語教師養成課程が誕生することは我が国の英語教育にとって画期的で、意義深いことと言えましょう。

 英語発祥の地で、生の英語に接し、英国国民の生活や文化に直接触れることによって、異文化教育としての英語教育のあり方を考える絶好の機会が与えられるでしょう。

 小学校(児童)英語教育は我が国の外国語(英語)教育の根幹を成すものであり、それを推進するための教師養成課程から優秀な児童英語教師が続々と誕生することを心より期待し、国際化時代に活躍する人材養成への意欲に燃えた方々の参加を切望します。