受講するにあたって

Q: 日本語教育について学ぶのは初めてなのですが。
初めて日本語教育について学ばれるという方でも日本語教育の基礎理論と実践力を養い、さらには、その応用や発展ができるよう体系的なカリキュラムが組まれています。研究所の教員養成課程では、ある教え方を模倣するだけの従来のTeacher Trainingという考え方に則るのではなく、Teacher Development-成長することのできる教師、の育成を目指しています。分析力や習得した知識や技術を自ら発展させていくことのできる力が、卒業後、一人で教壇に立ったときに何よりも役に立つことでしょう。また、コミュニケーション原論や英国ロンドンでの異文化体験を通じて教師としての資質を磨くこともできます。
Q: なぜ、英国で日本語教育を学ぶのですか。
自分の母語である日本語を教えるためには、それまで内側からしか見ていなかった日本語を、今度は全く逆の側面から、<外国語>としてとらえ、分析する訓練をしなくてはなりません。そしてそれは、日本という国と文化に対しても同じです。日本語を学びたい、日本について学びたい、という願いを持った外国人学習者にとって本当に「いい」先生というのは、自分と同じ視点に立ち、日本のことばや文化を、偏見なくできる限りかみ砕いて教えてくれる先生ではないでしょうか。しかし、その日本語教師として必要な<学習者の目><学習者の肌>を本当の意味で持つことは、残念ながら日本にいてはできません。日本を外側から見つめる機会を持つ必要があります。また、日本について語ることを、日本の外において行う必要があります。なぜならそれがすべての日本語学習者が最初に行うことだからです。学習者が日本語や日本についてどのように感じているのか、世界の他の言語、他の文化との対比において、どのようにとらえているのか。そういったことを、日本語教師となるための学習をしている最中に、学生が自分自身で学び、感じることができる。それが英国で日本語教師を養成することの最大の意義であり、日本語教師養成の最良の方法であると私たちは考えます。
さらに、英語の故郷である英国は、英語教育の先進国でもあります。最新の英語教育の理論や方法を日本語教育に応用しようというのが私たちの狙いです。Experimental Learningやコミュニケーション原論といったユニークな取り組みはそういった中から生まれたものです。日本の大学教授や日本語教育研究者の視察が後を絶たないのもそのためといえます。
また、海外で学ぶ利点の一つに教育実習も挙げられます。実際の学習者を知り、指導力や指導技術の向上を図るためには、日本語を母語としない外国人を対象に実際に日本語を教えてみる教育実習を体験することが大切です。ロンドンで行われる研究所の教育実習にはこういった学習者の条件が整っています。加えて、準備、授業、分析に至って立体的に構成された教育実習システムにおいては、日本語教師に求められる教授能力を体系的に養っていくことができます。
Q: 授業は何語で行われますか。 英語力はどの程度必要ですか。
Postgraduate Diploma課程およびPostgraduate Certificate課程の講義等で用いられる言語は日本語が中心ですが、科目によっては英語が用いられます。その英語力については、高校卒業程度の英語力が必要です。日本語教育に必要な英語表現は「日本語教師のための英語」等の講義の中で取り上げられますが、外国人講師等による英語での授業や英語で書かれた教科書を辞書を使いながら理解する程度の英語力が必要となります。英語力はこういった講義を受講したり、英国での生活を送ることでも養成されます。また、研究所附属London Language Centreの英語科のCambridge Exams CoursesやEnglish for Japanese Language Teaching、 IELTS Preparation Coursesを併せて受講することで英語力の向上をはかる学生も多く、これまでにも各種英検合格等大きな成果をあげています。コース受講と並行して英語を学んでいくことは卒業後の活躍の場を広げることにも繋がります。
なお、「英検」「TOEFL」「TOEIC」等の英語検定受験結果を指導用参考資料の一部といたしますので、出願の際、入学願書の該当欄にご記入ください。DiplomaおよびCertificate課程の学生が英語科で開講しているコースを併せて受講する場合には、学費割引を受けることができます。
Q: どのような方が入学されていますか。
さまざまな学歴・職歴の方が入学されています。大学を休学して入学される方、大学・専門学校卒業後すぐ入学される方、大学院を終えて入学される方、小・中・高校の教員をされていた方、現職の大学教授、何年かの社会人経験を経て入学される方、英国内の語学学校から移ってこられる方、企業の英国駐在員の方、駐在員のご家族、英国在住20年を越える方……。多種多様の経歴を持った人たちが一堂に会して共に学ぶ当課程は、必然的に非常にダイナミックなクラス構成となります。その一人ひとりが、日本語教育という目的を等しく持ち、互いに励ましあって過ごす期間は、その長短にかかわらず特別な意味を持ち、入学を機会に一生付き合える友人ができた人も数多くいます。
LinkIcon学生出身校一覧
Q: 通信教育で学ぶことができますか。
Postgraduate Certificate課程には通信教育コースがあります。イギリス国内はもとより、広く海外にご在住の方やお仕事をお持ちの方、学生の方など、通学するのが困難な方でも受講できます。
コースは2ユニット制になっており、添削指導を受けながら自宅にてマイペースで学習を進めるユニット1とロンドンでの約1週間の教育実習を中心としたスクーリング(ユニット2)で構成されていますので、無理なく、体系的に日本語教育を学ぶことができます。
LinkIcon通信教育コースの詳細



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